サウナやスーパー銭湯の多くで禁止されている水風呂での「潜水」行為。気持ち良いからとついつい潜ってしまう客がいる一方で「不衛生」などと嫌がる人は多く、店側にクレームが入ったり客同士のトラブルの原因にもなる。だが実は近年、堂々と水風呂に潜って良いサウナが増えつつあり、サウナ愛好家たちにひそかな人気となっている。
【写真】マナー違反のサウナ客に「人間のクズ」と怒ったカリスマYouTuber
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西武池袋線・所沢駅そばにあり宿泊もできる「ザ・ベッド&スパ所沢」。サウナを出た汗だくの男性たちが、シャワーや湯桶で頭からお湯や水をかけて汗を流した後、次々と水風呂へと進む。そして、頭までザブンと潜る。
若者もおじさんも、水中でゆらめく彼らの表情はこう言っている。
「超キモチー!」
サウナブームと言われる昨今。サウナから水風呂へ、そして外気浴で「ととのう」快感を求めて、幅広い年齢層の男女がサウナへと足を運ぶようになった。
ただ、そこはマナーが求められる公共の場。大半のサウナやスーパー銭湯などでは、水風呂に入る前に汗をよく流すことを求め、潜水は禁止と明示しているところが大半だ。それでも潜ってしまう客はよく見かけるのだが……。
潜水を禁止している千葉県のある銭湯の従業員は、
「目立つほどではないものの、潜水を巡ってのお客さん同士のトラブルはあります。髪の毛や頭皮の部分がつかることに嫌悪感があるんですよね。お客さんから潜水をもっとしっかり注意するようにとお叱りを受けることもありますが、常に監視するということもできず、結局はマナーに頼らざるを得ません」
ネット上では「(潜水は)無礼だ」「許せない」「注意されてもやめようとしないのはなぜだ」という怒りの声が目立つ一方で、「ちゃんと洗っている」「プールと同じだから気にしなくて良い」との声もある。
ちなみに公衆浴場法では、「入浴者は浴そう内を著しく不潔にし、その他、公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をしてはならない」「営業者または公衆浴場の管理者は、前項の行為をする者に対して、その行為を制止しなければならない」と定められているが、何がその行為に該当するかの判断は施設側に委ねられている。潜水についても、それぞれの施設ごとの判断となる。