豊渓里核実験場は2018年5月、北朝鮮当局によって一度は爆破され閉鎖されたが、建設作業が進んでいる
豊渓里核実験場は2018年5月、北朝鮮当局によって一度は爆破され閉鎖されたが、建設作業が進んでいる
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 北朝鮮から発射された弾道ミサイルが、3月24日、青森県沖の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。北朝鮮では核実験の準備が進んでおり、年内にも7度目の実験に踏み切る可能性が高いという。一方で北朝鮮が国のインフラ整備を軽視してきた結果、地方では21世紀とは思えない情景が広がっている。AERA 2022年4月18日号の記事から。(全2回の1回目)

【図解】国別の核弾頭数はこちら

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 北朝鮮で2017年9月以来、7度目になる核実験の準備が進んでいる。北朝鮮関係筋によれば、昨年末くらいから北東部・豊渓里(プンゲリ)核実験場の修復作業が始まった。北朝鮮は18年5月、実験場を爆破したが、今年1月に核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験のモラトリアム破棄を表明していた。実験場を管理する朝鮮労働党中央委員会直属の131指導局が昨年末から、工兵連隊を現地に派遣。過去の実験で未使用の南側坑道について、18年の爆破で破壊された入り口を復旧する作業を進めている。

 同筋は「国際情勢を見極めたうえで、年内にも7度目の実験に踏み切る可能性が高い」と語る。北朝鮮を支援する中国は核実験に反対してきたが、ウクライナ情勢を契機に米国と中ロ両国の対立が激化している。北朝鮮は、実験によって中朝関係が一時期冷え込んでも、米中が北朝鮮問題で協力することはないと計算しているようだ。

核開発と引き換えに犠牲を払ってきた

 首都平壌(ピョンヤン)では、4月15日の金日成主席生誕110周年に合わせた大規模な軍事パレードが行われる見通しだ。米韓関係筋によれば、パレードが行われる金日成広場に似せた平壌近郊・美林飛行場では、多数の人員や車両が集結してパレードの予行演習を行っている様子が、情報衛星などによって確認されている。4月は金正恩総書記が党最高指導者に就任して10年になる節目の月でもある。パレードでは、北朝鮮が3月24日に発射に成功したと主張する新型ICBM火星17等の最新兵器が続々、登場する可能性が高い。

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