林:それじゃ、海外の作品もぜんぜんオッケーじゃないですか。オーディション受けてるんですか。
加藤:自分の可能性を広げるためにイギリスに留学したので、いつかはチャレンジしたいなと思ってます。そうすれば、両親も「行かせたかいがあった」と喜んでくれるでしょうし。うちの父、僕が英語の話をすると楽しそうなんです。「いまの作品で英語しゃべってるのか?」、「うん、会話してるよ」って言うと、「おっ、そうか!」って。
林:いいお父さんじゃないですか。
加藤:そうなんです(笑)。
林:「硫黄島からの手紙」(06年)で二宮(和也)さんがやったみたいに若い兵士の役なんかピッタリなんじゃないかって、いまふと思ったけど。
加藤:今は特定の役に挑戦したいというよりも、とにかくいろんな作品と出会いたいという気持ちが強いです。
林:小さいころからの成長の度合いがすごいですね。私たちが「あ、『こども店長』カワイイ!」と思って見てたら、自分の意志でどんどん歩いてるという感じで。
加藤:意志と言えるほどカッコいいものではないですが、小さいころは楽しい習い事のような感覚で続けていて、学生時代は「習い事から仕事に変えなければいけないな」と思いながら続けてきて、去年成人してからは、「お芝居を仕事にしていくんだ」という意識がすごく強くなりました。それが活力にもなりますし、すごく充実しています。
林:素晴らしいじゃないですか。
加藤:このあいだの「るろうに剣心」も初めての殺陣だったんです。まだまだ新しい出会いがたくさんあるので、そういう出会いに満身創痍(そうい)になるぐらいぶつかって、少しずつ成長していきたいなと思っています。今回の作品も、僕にとっては分厚くて高い壁なので、頑張らないと、と思っています。
(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2022年8月5日号より抜粋
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