高嶋の場合、バラエティー番組では“プロ”として自身のキャラに徹して振る舞ったと考えられるが、社会や視聴者の意識が変化するスピードに追いついていなかったということか。
■対照的なエロ男爵・沢村一樹
一方、対照的なのが一時“エロ男爵”として名をはせた沢村一樹だ。沢村は17年頃から下ネタキャラでブレーク。バラエティー番組で「隣の部屋に100人の女性がいますけど、今のお気持ちはいかがですか?」と聞かれ、「100人ってことはにひゃっ(オッ)パイですね」と言ったらウケ、これがエロ男爵になった大きな転機だとインタビューで語っている(「FASHION BOX」2020年9月3日配信)。
「沢村は実は“エロ男爵”は返上しているんです。19年1月に行われた主演ドラマの会見で、『毎回“何とか男爵”は返上しますと言ってますけど、今年こそアレはなかったことにしたいです』と告白。実際、以降は下ネタキャラをほぼ封印しています。そのままそのキャラを続けていたら、炎上して俳優としての活躍も危ぶまれた可能性もあります」(同)
時流に合わせて、高嶋もそろそろ“変態キャラ”は封印すべきなのか。女性週刊誌の芸能担当記者はこう述べる。
「“下ネタも言う二枚目”というキャラは、芸能界のセクハラ問題が注視される現在、相当厳しいものになっています。たとえバラエティー番組でも、高嶋さんのキャラに女性タレントが絡むと一気に生々しく見え、嫌悪感を抱く視聴者が増えてしまう。一方、キャラ自体が面白いと思う人もまだまだいるはずなので、ラジオやYouTubeなど個人色が強い媒体で、一人でエピソードトークをするという方向に転換すれば、まだ需要はあるのではないでしょうか」
芸能評論家の三杉武氏は、昨今の芸能界やテレビ局の事情についてこう述べる。
「昨秋、徳光和夫さんが水道橋博士さんのYouTubeチャンネルで『AKBの1人や2人妊娠させられる』と口にしたことが物議を醸しました。徳光さんのような大御所で、かつYouTubeでの発言でさえ、ハラスメントを想起させる言葉は大問題になる時代です。番組を盛り上げようと冗談のつもりで言ったり、軽口をたたいたつもりでも、受け入れられ難いのが実情です。まして、それが朝やお昼の情報番組ならなおさらですし、視聴者のみならず、スポンサー受けも良くないですからね。『ポップUP!』は高岡早紀さんを起用するなど、斬新かつ挑戦的なキャスティングが目立ちます。高嶋さんもあえての人選でしょうし、ご本人も期待に応えるべく、キャラを生かした発言で番組を盛り上げようと奮闘しているのだとは思いますが、徐々に軌道修正を余儀なくされるかもしれません」
イケメンなのに変態、というキャラを面白がれる時代は、もう終わりに近づいているのかもしれない。(丸山ひろし)