次期参院選までおよそ2カ月。とかく参院選で話題となるのが、各党が擁立する知名度の高い「タレント候補」だ。今回、自民党が白羽の矢を立てたのは、秋元康氏がプロデュースした1980年代アイドル「おニャン子クラブ」の元メンバー・生稲晃子氏(54)だ。タレントや女優として活躍する一方、心理カウンセラーやメンタルトレーナーなどの資格を活かし、幅広い分野で活動。さらに、鉄板焼き屋の経営や全国展開のヘアサロンの社外取締役に就任するなど、実業家としての一面も持つ。2016年には政府の「働き方改革実現会議」の有識者メンバーを務めたこともある。
4月6日に行われた出馬発表会見では、「病気と仕事、子育てを両立してきた自分の経験を、政策とか法律、予算というものに反映させていくことができたら世の中のお役に立てるのではないかと思いまして、出馬を決意致しました」と抱負を語っていた。具体的には、どのような強みを有権者にアピールしていくのだろうか。
「15年に乳がんを公表した生稲さんですが、2度の再発により、右胸を全摘出、全部で5回の手術を経験されています。そういった自身の経験を生かした、現在闘病中の人たちに寄り添った政策などが期待されています。ただ、正直これといった政治活動をしてきた訳ではないので、聴覚障害の息子を持ち、障がい者政策を売りに立候補した今井絵理子議員と変わりないのではないか、という声が早くも上がっています」(週刊誌の記者)
その今井氏も今夏改選を迎えるが、16年に初出馬した際は芸能活動との両立を明言していた。一方、同じく改選を迎える三原じゅん子議員は「私は二足のわらじをはくつもりはない。女優は辞める」と退路をきっぱり断って選挙に臨み、みごと当選を勝ち取った。生稲氏はまだ明言を避けているが、その覚悟次第で票のゆくえにも影響がありそうだ。
「自民党は、元アナウンサーや人気コメンテーターなど複数の女性著名人に声をかけたものの、ことごとく断られ、生稲さんに声がかかったのはかなり後の方だったと報じられました。党が期待するのは、一大ブームを起こしたおニャン子クラブ時代の人気でしょう。グループの絶頂期を知る50代への知名度は抜群ですし、生稲さんは長らく健康番組や通販番組に出演していたので、高齢者にも強い。元メンバーが応援演説にかけつければ、それだけで話題性は抜群。同グループ初の出馬ということもあり、本人の意気込みも強く、会見では『おニャン子クラブという名前を汚さないようにがんばって当選したい』との発言も飛び出していました」(同)