■ガビ(スペイン代表)
2021年8月、ロナルド・クーマン体制下で光の見えなかったバルセロナに彗星の如く現れ、チャビ・エルナンデスの下でさらに進化。スペイン代表でも史上最年少デビューを飾ると(17歳62日)、ネーションズリーグ準決勝、決勝と大舞台でも恐れ知らずのパフォーマンスで世界中を驚かせた。
バルセロナのカンテラ出身らしく小柄で抜群のボールスキルを持つ17歳だが、ガビはそれだけに終わらない。激しいフィジカルコンタクトも恐れず、強引に身体を前に入れてボールを運ぶこともお手の物。さらに先述したように大舞台でも怯むことなく、また対戦相手に激しく食って掛かるなど、そのメンタリティは17歳とは思えないほどだ。チャビも「彼の野心とパーソナリティーは大したもの。感動すら覚えているよ」とべた惚れ。自身やアンドレス・イニエスタとの比較もされる中、指揮官は「誰かと比較することはしたくない。彼には限界がないんだ」とこれ以上ない賛辞を送っている。
“ラ・ロハ”のルイス・エンリケ監督も、ネーションズリーグ準決勝後に「彼はこのチームの未来でもあり、現在にもなれる」と大絶賛。実際にその後の11月、3月の代表ウィーク4試合ではいずれも出場させており(3試合はスタメン)、ワールドカップにも連れて行く気満々だろう。すでにバルセロナ、そしてEURO2020と東京オリンピックで圧巻のプレーを見せている同胞ペドリのように、大舞台で主役を演じる能力とメンタリティは兼ね備えている。
本大会グループリーグでは、2014年大会王者ドイツ、そして日本と同グループに入ったスペイン(もう1チームは大陸間プレーオフの勝者に)。ラ・リーガを追いかけている方々にはすでに説明不要の存在であるが、カタールの地で彼のプレーに衝撃を受ける日本のサポーターの方々も多いはずだ。バルセロナとの契約延長も近づいており、腰を落ち着けて本大会への準備を進めたい。
(文・三上凌平)