
知床の事故時、現場海域の水温は3度前後だった。斎藤さんは、体の深部体温が35度以下に下がる低体温症で、10~15分で意識を失うだろうと語る。
「海に出るということは、危険を伴うと考えておかなければいけません。救命胴衣は必ず着装し、防水の携帯電話も持ち、万が一の場合はすぐに118番(海上保安庁)通報をして救助を求めてください。5月は気温が上がってきますが、水温はまだまだ低い」
さらにこれからの梅雨や台風シーズンは、海岸では波は穏やかでも低気圧の影響で急な大波が襲ってきて、高波にさらわれる危険性があると警鐘を鳴らす。
「海岸で遊ぶ時は、波が高くなったと思ったら海に近寄らないことが大切です」(斎藤さん)
(編集部・野村昌二)
※AERA 2022年5月23日号より抜粋