今回の訴訟でグローバルダイニングは、クラウドファンディングで費用を集めた。目標金額1千万円に対し、5月17日時点で2500万円超の額が集まっているという。
こうした点を踏まえ、倉持弁護士は今回の裁判について、「訴訟の存在自体、意義のあるものだ」と指摘する。
「都と争っているのに、大阪やアメリカといった別の地域の方からも支援をいただきました。政府や都道府県の感染症対策がどこまで科学的・法的合理性があったのか。建設的な調査を公権力がしていないにもかかわらず、飲食店への時短要請・命令一辺倒というコロナ対応に、みなさん違和感を感じているのです」
実際、グローバルダイニングには、裁判を応援する多くの声が寄せられているという。そのコメントの一部を紹介しよう。
「特措法に対してもやもやした大きな不信感があったのですが、この訴訟で論点整理していただき、認めてはならない法であると確信しました。法適用の問題についてはもちろん、違憲についても真摯(しんし)な判決が出ることを願っています。微力ですが応援させていただきます」
「科学的根拠に乏しい政策によって、われわれ一般市民が著しい経済的、時間的損害を被っています。この裁判を通じてこれらが少しでも解消されて、『法の下の平等』『営業の自由』『個人の自由』など、現在の社会全体に蔓延している重圧に対し、一刻も早く防止措置が取られることを切に願っております」
「緊急事態宣言、時短営業は効果があったのか、あるのか? 科学的な検証がされているとは思えません。微力ながら応援します」
判決では、時短命令について違法性を指摘したが、都の過失については認めず、賠償請求は退けられた。
小池百合子都知事は5月16日夜、裁判について「感染防止対策上、必要かつ適正なものであったと認識している」とコメントを発表した。当時、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、感染拡大の場として飲食店はリスクが高いとしており、「飲食店への時短要請は重要な取り組みの一つだ」と主張した。