いまの環境はまわりの人が守ってくれて、とてもありがたいんですが、お芝居をする上では良くない気もしていて……。どうやったら、いろいろな景色や感情に出会えるんだろうと思うことがあります。たまに同じ仕事をしている方に話すと、大体「しかたないよ」って返ってくるので、私が求めすぎなのかなと思って「すみません!」って気持ちになっています(笑)。

人と人とのつながり

――ただ、その壁を解決するヒントも得ていると話す。

広瀬:20歳を過ぎてから、ずっと一緒にいられるような仲の良い人と出会えることが増えたんです。自分がまわりの皆さんに守ってもらってきたように、自分もまわりの人を守ったり、大切にしたいと思うようになりました。お仕事でもプライベートでも10年くらい一緒にいる方も何人かいて、そういう人はこれからどんどん増えていくと思っています。人と人とのつながりは、たとえばどんなお仕事をしているかとかで境界線がない、すごく普遍的なもの。だから、それをきちんと大切にしていきたいと思っています。

(構成/ライター・小松香里)

AERA 2022年5月23日号