左から、坂本勇人、王貞治、清原和博
左から、坂本勇人、王貞治、清原和博
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 5月13日、巨人中田翔がプロ15年目、通算1521試合、6245打席目に初めての送りバントをした。中田は2021年まで通算264本塁打、打点王3度のスラッガーだ。スラッガーの犠打は、勝利のために当然の作戦なのか。過去のスラッガーの犠打について、調べてみた。

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 通算400本塁打以上の選手は過去に20人しかいない。彼らは、言うなれば「超スラッガー」と表現できるだろう。20人のなかで最多の88犠打をマークしているのは、504本塁打(史上7位)を誇る衣笠祥雄(広島)だ。536本塁打(4位)の山本浩二との広島KY砲は、巨人のON砲、王貞治の868本塁打(1位)、長嶋茂雄の444本塁打(15位)に次ぐNo.2の大砲コンビである。48犠打の山本が、1977年から引退の86年まで犠打がなかったのに対し、2番も打った衣笠は引退する87年まで毎年のように送りバントをした。いずれにせよ2人が広島第1期黄金時代の屋台骨を支えた。

 通算400本塁打以上で犠打0の選手は、474本塁打(11位)の田淵幸一(西武ほか)、464本塁打(13位)のタフィー・ローズ(近鉄ほか)の2人。田淵は「アーティスト」と呼ばれたように、打球が虹にも似たきれいな弧を描く生来のホームラン打者だった。ローズは史上2人目(他に落合博満、山崎武司)の両リーグで本塁打王になった選手だ。ちなみに510本塁打(6位)の落合はロッテの若手時代に犠打3個、中日時代の89年に1個。当時の中日の監督は星野仙一だった。525本塁打(5位)の清原和博は西武時代に4個、長嶋監督の巨人時代(01年、29本塁打、121打点)に1個記録している。ちなみに王の通算犠打数は12個。7年連続本塁打王に輝いた68年(49本塁打)に1個あるのは驚きだ。

 大谷翔平やトラウト(いずれもエンゼルス)が2番打者で本塁打を連発するメジャーリーグでは「2番最強打者論」がある。右打者は流し打ちするケースでも、左打者はそのまま引っ張ればいい。走者一塁なら一塁手が牽制に備えベースに張り付くので、一・二塁間安打で走者一・三塁とチャンスが拡大し、ビッグイニングにつながる。

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