ゲームのオンライン家庭教師「ゲムトレ」が、全国の小学生を対象としたアンケートを実施しました。その結果、小学生が一番見ているゲーム実況YouTuberとして、ヒカキンさんのゲームチャンネル「HikakinGames」が3年連続で1位となりました。
ゲーム実況は小学生以上の子どもたちに人気のジャンルです。ゲーム業界でも、実況されることで人気が高まるゲームも多く、実況を前提とした設計のゲームも少なくありません。モバイル社会研究所の2021年の統計では、小学生の3割が毎日YouTubeを視聴し、中学生になると5割を超えます。非常に多くの子どもたちが、YouTubeを視聴していることになります。そして、YouTuberという仕事は、子どもたちがなりたい職業ランキングでも、上位にランクインしています。一方で、通信教育を運営する「おうち教育の森」が実施した中学生以下の保護者を対象としたアンケートでは、「子供に就いてほしくない職業」としてYouTuberが第一位となりました。ここまで、親子の希望がかけ離れた職業も珍しいと思います。
子どもがYouTuberに憧れる要因は「動画が面白いから」「人気者になりたいから」「遊んでお金を稼ぎたいから」の3つに大別されると思います。いずれもかなえるためには難易度が高く、現実のYouTuberの実態とかけ離れたイメージでもあります。子どもたちが面白いと感じる動画を制作するために、制作側がどれだけの時間と手間をかけているか、視聴者のままでいると想像ができません。よほどのカリスマ性がない限り、楽して人気者になることはなく、下積みの時期が必ずあります。
また、YouTuberは遊んでお金を稼いでいるわけではありません。撮影も企画も編集も、思いのほか重労働です。視聴されそうなコンテンツに関する研究や分析など、人気をキープするためには、想像以上に手間と時間がかかります。毎日動画を制作し続けるのは非常に大変で、視聴者の好むことと自分のやりたいことが乖離する苦しみもあります。「好きなことをして生きていく」の「好きなこと」は、”視聴者の”好きなことろ言い換えることもできます。そうした現実を経験するために、子どもに一回やらせてみるのが良いかもしれません。簡単な動画の制作であれば、スマホと無料のアプリがあれば可能です。保護者の監修のもと、チャンネルを開設して何本か動画を制作して公開してみると、動画制作の手間や大変さを実感できます。再生数を稼ぐ難しさに心が折れることもあるでしょう。(ここで心が折れず、再生回数を上げるために試行錯誤する子は、YouTuberの才能があるのかもしれません)これが、子供が「YouTuberになりたい」と言い出した時の、最も効果的な対処法と考えます。