連絡が取れなくなったお友達も、自分なりに闇を抜け出そうとして一人で頑張りたいと思っている時なのかもしれません。黒い洋服しか着なかった人が違う色の洋服を着だした時は、その闇を抜け出そうともがいてる時です。

　僕自身も経験というかそういう切ない思い出があります。20代前半の時にすごく好きな作家がいて、その小説についていつも語り合っていた友人がいるんですが、ある時「就活の邪魔になるから小説は封印したい。その思考にもう近づきたくない」と言われて。ものすごく取り除かれたような気分になりました。

　そしてご相談には、かに座ならではの寂しさも感じました。かに座は「ちゃんと起承転結を迎えたい」人たちです。最終章までいったら納得できるけど、3章で急に打ち切りにされたら、さまようしかなくて戸惑ってしまう。

　闇って何歳になっても持ち続けていい大事な自分の成分だし、無理に割り切らなくてもいいと思います。ただこれを一つのきっかけとして、闇と少し距離を取りながらいい形で闇を残していく訓練をしてみてもいいかもしれません。

◎しいたけ.／占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY！ しいたけ占い」でも人気

※AERA　2022年6月6日号

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しいたけ.

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しいたけ.／占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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