「身分証明書の提示を求めたり、『警察・弁護士に相談しています』といった文言をあからさまに掲示したりするなどの対応を取りました。すると、次第に『さくらやはこれまでとは違う店だ』と認識されるようになってきました」
子育て中の保護者のための店に徹して「日々努力しています」という馬場さん。最近は店を訪れる客に父親も多いという。
「娘の制服を見に来たというお父さんだったら、子どもの身長や体格、学校のことを質問しています。もし、本来の目的ではない人だったら言葉に詰まるのでわかるんですよ。ですが、だんだんと質問に答えられるように準備してくるようになってきたので、スマホで子どもの写真を見せてもらったり、奥さんに電話してもらえませんかとお願いしたり……。もう、イタチごっこですね」
■問われる「ブルセラ」排除
最近、NPO法人 学生服リユース協会は「優良学生服リユース店」の認定制度を始めた。
「この認定制度はお店だけでなく、中古制服を取り扱う行政も対象としています。文書と面接で審査しますが、かなり厳しい基準を設けています。でも、それくらいしないと、お母さんたちに安心して学生服を売ってもらい、買っていただくことはできない。だから、絶対にきちんとやらなければなりません」
健全な中古学生服業界がこれからも発展を続けられるかは、保護者からの信頼にかかっている。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)