写真/馬場さん提供
写真/馬場さん提供

 現在、さくらやは北海道から沖縄まで97店舗を構える。フランチャイズではないのでロイヤルティーはかからない。最初に研修を受けられる開業支援契約金を支払えば、あとは月会費のみの「パートナー制」で会員店を増やしてきた。また、馬場さんから経営ノウハウなどを学び、会員とならずに出店する人もいる。中古学生服を取り扱う店は着実に増えているのだ。

 一方、馬場さんは安易に中古学生服の取り扱いを始めることに対して危惧の念を抱く。

「『困窮家庭支援のために制服のリユース事業を始めました』というのはメディアの注目を浴びやすいので、団体や企業が空きスペースを利用して店を始めるケースもある。一方で、私たちはコレクション目的で制服を売買する個人や業者の排除に腐心してきました。そこに、ものすごく手間をかけています。けれど、安易に参入する人はそこまできちんとやってくれるのか、不安があります」

■売った制服が知らぬ間に…

<ネット検索して出てきたところに娘の学生服を売ったら、学生服一式がそのまま別のブルセラショップページで販売されていて憤りを感じました>

<子どもから中古学生服が8万円で売れたと聞いて、おかしいと思い調べてみたら、ブルセラショップでした。安心して売れるお店を知りたいです>

<ネット検索したら高値で学生服を買い取ってくれるページが出てくるのですが、どこで販売されるのか不安です>

 NPO法人 学生服リユース協会にはこんな保護者の声が数多く寄せられている。

 馬場さんによると、中古学生服を本来の用途、つまり生徒や児童が着用することを目的に買い取りや販売をするのではなく、マニアのコレクションアイテムとして扱う業者がインターネット上にいくつも存在するという。

 かつて、学生服の中古販売といえば、「ブルセラショップ」と同義語だった。ブルセラとは「ブルマー(女性用の体操服)」と「セーラー服」を組み合わせた造語。1990年代、着用した制服や下着などを販売するブルセラショップが増加し、社会問題化。東京都などは条例で規制を強化した。

 ところが、インターネット上ではいまでもブルセラショップは健在だ。

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