写真/馬場さん提供
写真/馬場さん提供

本来、中古制服販売業者は男女の制服を扱うものだが、取材を進めると、実質的に「女子の制服」しか買い取らない店や、「着用済みの制服のみ」を扱う業者が見つかった。

「そういう店は、ブルセラである可能性が高い。あとは、上下がそろっていることを求めたり、有名私立学校の制服を高く買い取ったりする店とか」

 制服を着用している写真をつけることで高額な買い取りを持ちかける業者もあるという。

「制服を着ている娘さんの写真つきだったら『8万円で買い取りますよ』とか。恐ろしいですよ」

 学生服は、一見すると同じように見える学ランでも服地などに違いがある。そのため、中古学生服の買い取りや販売は各地域での商売が基本となる。「お客さんが限られているから、きちんと売り上げを立てていくのはものすごく大変です」。一方、本来の目的以外の業者は、地域に関係なく取引を行っているのも特徴だという。

「公正取引委員会が認可しているから安心」という業者もあるが、そもそも中古学生服のような古物を取引する業者は公正取引委員会の認可を得ることが必要で、それを「安心の証」としてアピールすることに不自然さを覚える。

■ブルセラ業者に狙われた

 さくらやでは制服の販売価格を新品の3割以下に抑えている。店の設立当初、その価格の安さがコレクション目的の転売業者らを引きつけた。

 中古の制服にはABCDと、四つのランクがある。いちばん人気があるのはBランクで、補修が必要なDランクの服はあまり売れないという。

「ところが、朝4時起きで鳥取から来たという人がDランクばかり64着も買っていこうとしたんです。最初、それが何を意味するのか、よくわからなかった。鳥取にも高松と同じ制服の学校があるのかと思った。でも、おかしいなと思って調べたらブルセラの業者だった」

 馬場さんは危機感を覚えた。保護者から「あやしい店」と見なされて、信用を失えば、店は立ちゆかなくなってしまう。そのため、趣味や転売目的で店を訪れる人をあの手この手で断ってきた。

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ブルセラ排除に苦心