AERA 2022年6月13日号の表紙を飾った生田斗真さん
AERA 2022年6月13日号の表紙を飾った生田斗真さん

 6月8日に開幕する舞台「てなもんや三文オペラ」で盗賊団のリーダーを演じる生田斗真さんがAERAに登場。映画と舞台の違いを、前者は短距離走、後者はフルマラソンと表現する。AERA 2022年6月13日号から。

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 劇場の雰囲気に負けない、のまれていない。撮影場所である劇場での佇まいには、そう感じさせるオーラがあった。

 映画「脳男」(2013年)では、生まれつき感情がない殺人鬼を、「彼らが本気で編むときは、」(17年)ではトランスジェンダーの女性を演じた。醸(かも)し出す空気は、多様な役柄を通して得た感受の経験により育まれたものだろう。

「映画は一瞬の輝きをどう放つか。舞台は輝きをどう持続させるか」

映画と舞台の違いを、前者は短距離走、後者はフルマラソンと表現した。向き合い方は大きくは変わらないが、使う筋肉もトレーニングの仕方も変わってくるという。

 6月8日に開幕する舞台「てなもんや三文オペラ」では、1950年代の大阪で暗躍した盗賊団のリーダーを演じる。特殊な役柄だが、怯むことはない。「どうやって成立させるのだろう」。そう思う役柄の方が、いい結果が生まれる。そんな経験の蓄積があるからだ。

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