『鎌倉殿の13人』の脚本家の三谷幸喜氏(写真左)
『鎌倉殿の13人』の脚本家の三谷幸喜氏(写真左)

 歴史教育は暗記モノが多かったから、歴史という教科を嫌いという人もいるけど、僕は個人的には歴史は好き。歴史は知っておいた方がいいとは思っていて、なぜなら、人間は同じ過ちを犯すということを学べるから。鎌倉時代であれ室町時代であれ、どんな時代でも人間は権力に目がくらんで人を殺すんだとか、そういうことは現代においても人は殺さないにしても同じような構図のことはたくさん起きている。

 歴史教育は改革していくことはあったとしても、歴史を知ることは止めなくてもいいのではないかと思う。歴史の勉強を嫌うという人の意見もわかるけど、なんか、嫌だなというか、ちょっともったいないなと思ってしまう。

『鎌倉殿の13人』に話を戻すと、「歴史教育なんていいよ、いらないよ」って言う人がいたり、「歴史の勉強なんて人生で一回も役立ったことがない」と言う人もいる中、人気のある戦国時代でもない、鎌倉時代の話しでストーリーを「言わないで!」って言う人がいるのはすごい。いまの時代、Netflixなどに配信ドラマが山ほどあるなかで、先のストーリーを話さないで欲しいほど「ワクワクしちゃう」ドラマというのは作品として素晴らしい。

 先日、20~30歳の子たちと話していたんですが、やっぱり全然テレビを見ない。そのうち一人はひとり暮らしでテレビを家に置いていないそうです。そもそも買う気もなかったと話していました。当然、地上波の連続ドラマを見てなくて、「まとめて見られないとダルいんですよね」と。僕にとっては、その考えはある意味、新鮮でした。一気に見られないとダルくて、連続ドラマが毎週1回の楽しみで待ち遠しいという考えはもうないよう。だから、Netflixとかは全話をドンと置いてあるから、それなら見ると話していました。

 そんな視聴習慣がじわじわ浸透している中で、『鎌倉殿の13人』は毎週1話だけど、見させる力がある作品なんだと改めて思う。歴史が詳しい人が見ると、もちろんドラマなので賛否はあるようですが、面白いからいいんではないか。歴史をひとつのエンタメとして、ここまで魅了しているのは、脚本家の三谷幸喜さんももちろん俳優のみなさんもすごいなと思う。