はたして今回はどのような「いちゃもん」が湧いているのか。それならネットの匿名コメント欄を見るのがいちばん手っ取り早いわけで、普段は非表示にしているネットニュースのコメント欄を覗いてみました。案の定、想像通りの「いちゃもん」が溢れているではありませんか！　秀逸だったのが、「大谷狙いから別のスターに乗り換えた感じ。人柄よりもブランドで選びそうなタイプ。いい奥さんになれるのか。渡邊選手をいくつも持っているアクセサリーのひとつのように考えていなければいいな。」という、まさに教科書通りの「いちゃもん」。久慈さんや渡邊選手はおろか、大谷（おそらく選手のことと思われる）さんを始め、あらゆるスポーツ選手を「ブランド」扱いした上、「いい奥さん」という時代錯誤な価値観ダダ漏れ。最後の「なければいいな。」という口調も気持ち悪い。しかも、これを書き込んでいるのが男性である可能性が高いのも肝です。やっかみ女性からの共感（いいね！）が欲しかったのでしょうか。

　美人女子アナと有能男性アスリートが引っ付くことに目くじらを立てる人たちはまだまだたくさんいるようですが、いっそその暇と体力を彼ら彼女らの愛人になるために充てた方が、よっぽど精神衛生と景気のためになるのでは。

ミッツ・マングローブ／1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場～語り亭～」「5時に夢中！」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

※週刊朝日 　2022年6月10日号

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