ポイント2 折れは一度止まってから折れる

「折れ」が連続する「及」。一度止まって方向を確認してから折れること。
「折れ」が連続する「及」。一度止まって方向を確認してから折れること。

 線の方向転換である「折れ」は、一度止まってから進む方向を変えます。

 漢字の「目・日・国」など、直角に折れるものもあれば、「皿・四・由・典」のように少し鋭角に折れるものもあります。特に「及・弓・乃」のように折れが連続する字では、一度止まって進む方向をしっかり意識してから折れましょう。「ひらがな」は曲線が多いのが特徴ですが、「折れ」をおざなりにせず、しっかり「折れる」ことも美しく書くポイントです。

 また、ただ折れるだけでなく、来た道を少し戻るように書く「折り返し」の字も多くあります。折り返すときは、線をそり気味にするのがコツ。鋭角に角度をつけて折り返すことで、字の骨格がしっかりします。

「折れ」も「折り返し」も、一度止まってから進む方向を見極めて方向転換をするのは同じです。なんとなくではなく、行き先を意識して折れるようにすれば、バランスのよい字になります。

ポイント3 長い線は思いきり長く書く

長い横線の「せ」、長い斜め線の「識、長い縦線の「輪」。しっかり長く書くこと。
長い横線の「せ」、長い斜め線の「識、長い縦線の「輪」。しっかり長く書くこと。

 ひらがなの「わ・す・せ」の1筆めの線、漢字の「母・葉・寄」などにある長い横線、「車・輪・来」などにある長い縦線、「九・機・識」などにある長い斜め線は、その字の形を大きく左右するとても重要な線です。「なぜか字の形が整わない」という場合、これらの線をしっかりと長く書かないことが原因かもしれません。しかし「長い線を長く書く」という当たり前のことは、意外と難しいのです。

 長い線はまた、その字の高さや幅を決める大事な線でもあります。書き始める前に字のサイズを確認して、勇気を出して思いきって長く線を引いてみましょう。

 そして「重・筆・事」など、横線が複数ある字は1本だけ長く書くと格好がつきます。この一画強調は平均台で両手を左右に広げると安定するのと同じ原理で、さまざまな漢字に応用できます。ただしどの線を長くするかが重要。また急いで書こうとして、知らず知らずに長く書くべき線が短くなると、結果的に字全体が小さく縮こまってしまいます。「長い線は長く書く」を徹底させることが大切です。

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ
線の角度と間隔のバランスが大事