ノーヒットノーランを達成したDeNAの今永昇太
ノーヒットノーランを達成したDeNAの今永昇太

 その変化は投手の劇的なレベルアップが生んでいる。10年くらい前までは、反発の大きい材質のバットも出て、打者優位といえる時代もあったが、近年は映像データ解析が投手の進化を後押ししている。直球、変化球をよりよくするためにはどうすべきか。変化量を増やすのか、抑えるのか。リリースポイントを一定にするには……など、数字や映像が説得力を持ち、選手の改良を手助けしている。今年は防御率1点台の投手がここまでセ・リーグ、パ・リーグ合わせて10人近くいるが、今後も「投高打低」の流れは数年間、続くのではないか。

 交流戦優勝は執筆時点では決まっていないが、ヤクルトは本当にいい戦いをしている。昨年の日本一になった自信と経験を今年にうまくつなげている。ただでさえ、連覇を果たすことは難しくなっている時代ではあるが、夏場をうまく乗り切ってしまうと、突っ走ってしまう可能性すらある。ヤクルトを追う球団は、かなりの勝率でついていかないといけない。

 逆にパ・リーグは、どこも決め手を欠いている。勝率5割近辺で戦えている球団なら、夏以降に優勝争いに加わるチャンスがあるとみる。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年6月24日号

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