■肌感覚に頼らず湿度計で確認を
藤原さんは、特に意識したいのは寝室だという。
「カビといえば風呂場を連想します。風呂場もカビ対策は必要ですが、長時間滞在するわけではありません。むしろ5時間以上は過ごす寝室や布団こそ要注意。布団にカビの黒い点々が付いていたご家庭でお子さんがくしゃみをしていたのですが、風邪ではなく、カビかダニのアレルギーの可能性もあります」(同)
布団のカビ対策でも風通しをよくするのが基本。
「起きてすぐベッドメイクせず、むしろ布団をめくったままのほうがカビ対策にはいい。外干しできなくても、椅子に掛けて乾かすだけで違います。布団乾燥機は有効ですが、安くはないので除湿マットがおすすめ。敷布団やベッドマットの下に敷いておくと湿気を吸ってくれ、マットを干せば何回でも使えます」(同)
エアコンの除湿運転も室内の湿気対策に有効だ。空調メーカーのダイキンも、湿度が高い時期の除湿運転をすすめている。
「冷房運転でも除湿されますが、湿気解消にはやはり除湿運転が最適。冷房や除湿運転を行うと、室内機が湿った状態になり、そのままエアコンを停止するとカビや嫌なニオイの発生につながることも。大半のエアコンには室内機内部を乾かす運転を行う機能があります。エアコンを切ったあと、まだ動いていると思って再度停止ボタンを押すとこの乾かす運転も停止してしまうため、注意してください」(ダイキン工業広報・重政周之さん)
もし、壁紙や窓のゴムパッキンなどにカビが生えてきたら、カビが嫌う消毒用アルコールを吹き付けるのが有効という。
「風呂のカビ対策で使う次亜塩素酸ナトリウムは毒性が強く、水で洗い流せる場所でしか使えない。二酸化塩素スプレーもおすすめです」(藤原さん)
湿度が高い状態は肌感覚に頼らず、湿度計で確認することが大切だ。
「湿度は人間の体感が当てになりません。熱中症対策も兼ねて湿度計の設置を。各部屋に設置すると湿度がたまりやすい部屋がわかります」(同)
梅雨が明けても、これらの対策は欠かせない。正しい湿気対策で、カラッと健康になろう。(ライター・吉川明子)
※週刊朝日 2022年7月1日号