だから、世界ランク1位のブラジルにも守備固めをせず、真っ向から挑んだ。0-1で敗れたが、ボール支配率は47.8%と互角に近い数字だった。
その翌日の練習前の円陣、森保監督は身ぶり手ぶりを加えて異例の長さとなる約10分の「演説」で選手をたたえた。
「強豪相手にも、ボールを保持することを放棄しなかった。よくトライしてくれた」
2日のパラグアイ戦(札幌ドーム)とガーナ戦はボール支配率で55%超。チュニジア戦は62.4%だった。
今回、足のケガの影響で試合出場を見送った主力DFの冨安健洋(23)は言った。
「ビルドアップを捨てるということは、僕たちのアイデアとして、ない」
それが、日本を初のベスト8以上に導く最善策になる保証はない。ただ、チームは選んだ道をぶれずに進んでいる。(朝日新聞スポーツ部・勝見壮史)
※AERA 2022年6月27日号より抜粋