また6話&7話は、「金田一少年」と言えばこれを思い出す、初代・堂本剛版にも登場した伝説のトリックだ。離れの書斎で殺されていた作家。
通り雨でぬかるんだ地面。唯一人そこに足跡を残した金田一少年が疑われる。いったい真犯人はどうやって書斎から立ち去ったのか。
はい、イラストの間取り図をご覧あれ。まずドアノブに足をかけて乗り、ドアを開け次のドアへ乗り移る。その要領でさらに次のドアへ。ドアからドアへの大移動。その難易度から、人呼んで「SASUKEトリック」。
いやその前に、いちいちドア開けなきゃ隣の部屋に行けない、こんなめんどくせぇ離れ設計した奴呼んで来い。と、ツッコミたくなるとんでもハウスと、とんでもトリックのマリアージュ。
ぬかるみに足跡を残しちゃいけない。ピコーン、そうだドアにしがみついて行けばよし! と、思いついてしまう犯人の発想力にしびれるぜ。
今後「金田一少年」シリーズがあるたびに、再現してほしいこのトリック。犯人は「SASUKE」の常連・山田勝己さんでいいから、この際。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2022年7月1日号