7月26、27日のオールスター戦への意気込みを話す全セ監督のヤクルト・高津臣吾監督(5月25日、代表撮影)
7月26、27日のオールスター戦への意気込みを話す全セ監督のヤクルト・高津臣吾監督(5月25日、代表撮影)

 かつては、各球団ともに先発投手の力に頼っていた。先発完投がすべてであり、救援投手はクローザーをのぞいて、ほぼ先発投手の勝敗が決した後の、代わりに投げる投手という位置づけだった。それがセットアッパー(主に八回に投げる投手)、七回に投げる投手と、「勝利の方程式」と呼ばれる救援陣が形成され、今では、高津監督は救援投手もローテーション制を敷き、守護神マクガフが休んだときの「第2、第3の勝利の方程式」まで計算している。

 こうなると、先発投手は思い切って飛ばせる。長いイニングを投げることを託されると、どうしてもペース配分を考えるが、最初から飛ばしていける。さらに、今の野球は打者が初球から打っていくのが当たり前になった。こうなると、ヤクルト・石川雅規のようなストライクゾーンを広く使うベテラン、しかも技巧派が生きる状況が整う。チーム作りは生き物だし、就任当初から狙ってできるものではないが、高津監督のマネジメントはいい方向に回っている。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2022年7月1日号

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