最後のカットが前述の「浮かし撮り」を応用し、函館市電(函館市企業局交通部)のレトロ電車500型を撮影した作品。谷地頭線青柳町停留所付近で路線がアップダウンする地形を利用。坂下の歩道上から超望遠レンズを装填したデジタル一眼レフカメラで狙いを定め、メインモチーフであるレトロ市電を宙に浮かした。尾張屋橋の撮影から51年の歳月が流れていた。
市電が走った尾張屋橋は1981年に橋長183m、幅員21.8mのコンクリート橋に架け替えられ、上下それぞれ2車線の車道と、その両側には歩道が設置された。浜松町交差点から尾張屋橋に向うSカーブした取付道路が市電時代の面影を僅かに残している。
■撮影:1968年6月23日
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