私が興味を持ってみたのは、女性の当選者がどのぐらいになるかだった。その結果、候補者に占める女性の比率と当選者に占める女性の比率がだいたい重なっている傾向があるという。
女性議員を増やすには、政党側の積極的な選出が欠かせないことが分かる。自民党が十九人中十三人、公明党が五人中二人当選。野党では立憲民主党の当選者が一番多かった。
「なりたい人がなるのではなく、なって欲しい人がなる」女性の立候補者には欠かせない条件だが、現実はまだまだ。それには私たち一人一人がぜひなって欲しい人を推薦する制度が必要ではないか。政党にとって必要な人ではなく、国民、特に女性にとって必要な人を日頃から見つけておかねばならない。
いくらなって欲しくても立候補がなければ一票の入れようがない。
この原稿を書いている最中、各国の女性の活躍度がテレビで紹介されていた。日本は世界一四六カ国中、相変わらず低位の一一六位だとか……。
下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。この連載に加筆した『死は最後で最大のときめき』(朝日新書)が発売中
※週刊朝日 2022年7月29日号