監修/国崎信江先生
監修/国崎信江先生

  安全の備えとして、防犯対策にも取り組みましょう。

「防犯でまず大事なのは整理整頓です。手入れされていない庭や散らかった玄関先は、隙のある家だという印象を与えてしまいます。大掃除を機会に防犯と防災を意識した家づくりを始めてみてはいかがでしょう」

■国崎信江先生が伝授する、コツコツ取り組む安全対策

習慣1:整理整頓が基本
何はなくともまずは整理整頓。棚の上に物を置いたり、物を積み上げたままにしておいたりすると、地震時に落下してけがの原因になります。整理のついでに防災を意識した模様替えにも取り組んでみましょう。侵入者に隙を見せないよう、庭の手入れや外回りの掃除も忘れずに。

習慣2:食器は割れない物に換える
部屋からの避難時、棚から食器が落下して床に飛び散ると破片でけがをしかねません。そこで普段使いの食器は思い切って木材やメラミン、シリコンなど割れにくく柔らかい素材に換えてみてはいかがでしょうか。お客様用の大切な食器は木箱に入れておき、必要な時に取り出して使うようにすることで地震から守ることができます。

習慣3:すべり止めシートを活用する
棚や机の上にはなるべく物を置かないようにしたいところですが、 置く場合はすべり止めシートを敷きましょう。100円ショップでも手に入ります。テレビなど重い物は粘着ジェルマットを利用してしっかり固定しましょう。

習慣4:家具は固定、ガラスは飛散防止
ガラスの飛散防止フィルムは1枚3,000円前後。食器棚など手近なところから少しずつ貼っていきましょう。窓からの侵入を防ぐ防犯フィルムならガラスが割れにくくなる上、飛散防止も兼ねられます。本棚やたんすを倒れないよう固定する器具は1組5,000円前後。負担が大きければ複数月分の「防災費」をためて購入を。

習慣5:本は大胆に整理を
本棚を壁にしっかり固定していても、収納している本は地震時の揺れで雪崩のように落ちてきます。本はできるだけ処分して、どうしても残したい本は、腰より低い本棚の下のほうに収納して安全性を確保したいところ。処分するのが忍びないという人は、電子書籍化する手も。有償で書籍を電子化してくれるサービスもあるので、計画的に進めていきましょう。

■ところで家は大丈夫?

 どれだけ室内の対策をしても、建物が倒れてしまっては元も子もありません。家の安全性を確認する耐震診断はぜひ受けたいところ。診断の費用は15~20万円ほど。診断の結果、耐震補強が必要となると、数百万円が必要となりますが、地震で家が倒壊すればその10倍もの出費を覚悟しなければなりません。その保険と考えれば納得のいく負担ではないでしょうか。

監修/国崎信江(くにさき・のぶえ)先生
危機管理教育研究所代表・危機管理アドバイザー。女性・母親の視点から、防災・防犯対策を提唱している。国や自治体の防災委員を務め、多くのメディアを通して精力的に情報発信を行っている。自らも日々、防災対策を実践。『知っておきたい防災新常識大事典』(洋泉社)他、著書多数。

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