朝日新聞出版は1月20日、書籍『心の病気にかかる子どもたち―精神疾患の予防と回復―』を発売しました。2022年度から高校保健体育の教科書に「精神疾患」が盛り込まれることから、中高生やその保護者、教員に向けて、精神科医の水野雅文医師がわかりやすく解説する一冊です。

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 2022年度から高校の学習指導要領が改訂され、保健体育の授業で「精神疾患の予防と回復」を教えることになります。うつ病、統合失調症、不安症、摂食障害といった精神疾患は、若い年代で発症し(約75%が25歳未満に発症)、不登校や自殺の原因にもなっています。正しい知識を得て、不調の兆しに早く気づくことが現代社会の課題となっていますが、これまで精神疾患について正しく学ぶ機会がなかったことという背景もあります。

 学習指導要領改訂に携わった精神科医で東京都立松沢病院院長の水野雅文医師は、「授業で学ぶ生徒だけでなく、保護者や教員にも正しい知識を持ってもらいたい」と、本書を執筆しました。

本書の構成は以下のようになっています。
1章では、精神疾患について間違った思い込みをしてしまいがちなトピックスを取り上げ、簡潔に「事実」を紹介しました。
2章は1章の内容について詳しく解説するとともに、なぜいま若い世代が「心の病気」を学ぶべきなのか、日本の社会的な事情も含めて説明しています。
3章は、心の病気とはどのようなものなのか、一般的な内容をお話しています。
4章は心の病気の中でも、新学習指導要領に盛り込まれた4つの疾患「うつ病」「統合失調症」「不安症」「摂食障害」について取り上げ、それぞれの症状、原因、治療法などをまとめました。スマホ依存、ゲーム依存といった、若い世代に多い「依存症」にも触れています。
5章では、1問1答形式で、本人、友だち、保護者、教員からの質問に回答しました。
 

『心の病気にかかる子どもたち―精神疾患の予防と回復―』
著者:水野雅文
発売日:2022年1月20日(木曜日)
定価:1430円(本体1300円+税10%)
四六判128ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4023319996