<「7つのコラム」の書き方>
落ち込みや不安がある時は、原因となることの発生から素直な思考を下の図の順番に書き出してみましょう。誰かに相談しているような客観的な視点を得るための方法の1つです。
「笑う門には福来る」は本当! 行動が意識を変える
心が疲れると「もう何もしたくない」と無気力になることがあります。これ以上傷つかないように自分の中に閉じこもり、行動を起こさないようにしてしまうのです。心の疲れは精神のエネルギー不足の状態なので休息が必要なこともありますが「少し落ち着いたら、体を動かしてみると、心が上向きになっていきます」と大野先生。うつ病の治療の1つに「行動活性化」という方法があります。これは気分転換になる行動をとることで心を元気にする方法です。「脳は、行動をして初めて次のことをする意欲が湧くようになっています。気分を意識的に変えるのは難しいですが、行動はすぐにでも変えられる。まず行動すれば、心は後からついてくる。これが行動活性化です」。
<行動と心の関連メモ>
「朝起きて顔を洗い、朝食を食べた」。このような当たり前の生活には普段意識を向けないものです。しかし、日々の行動を意識すると「〇〇をしたら気分が明るくなることが多い」などの傾向が見えてくるはず。観察を繰り返していると「自分の気分を明るくする行動」が選び取れるようになるのです。日々のなんでもない行動が? と思うかもしれませんが、意外と行動と気持ちは連動しているもの。手帳やスマホで行動と心の動きをチェックして、新たな発見をしてみましょう!
【後編に続く】心が疲れたら「行動」を変えるのが有効! 精神科医がすすめる「8つの行動習慣」とは?
監修/大野 裕先生(おおの・ゆたか)
精神科医。1978年慶應義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。コーネル大学医学部、ペンシルべニア大学医学部を経て、慶應義塾大学教授を務めた後、2011年より独立行政法人(現・国立研究開発法人) 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任。現在は顧問。一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長などを務める。著書に、『心が晴れるノート』(創元社)など。