昨年11月、全国に先駆けて「一人一台端末」を配った東京都町田市の小学校で、小6の女の子がいじめを苦に自殺した。遺族は女の子の遺書を持って学校に行き、調査を依頼。しかし、GIGAスクール構想の旗振り役として知られる校長は「いじめは解決していた」と繰り返すばかりだった。
「最初は学校を信じていました」
町田市の小学校に通う6年生の山根詩織さん(仮名)が、自室で亡くなっているのが発見されたのは、2020年11月30日(月)の0時半頃。兄の信哉さん(仮名)が0時を過ぎても部屋の明かりがついているのを不審に思って部屋をのぞいたところ、首をつって絶命していた。
部屋を探すと、鍵がかかった机の引き出しの中から日記形式で書かれた遺書が見つかった。そこには、「A子とB子にいじめられている」「こいつらのために自分は死ぬ」「もうラクになりたい」などと綴られていた。
いじめについて、両親はまったく気づいていなかったという。
「娘は学校を欠席したこともなかったし、友達の悪口を言うこともありませんでした。だから、亡くなった娘を見た時に、一体、何が起こっているのか……理解できませんでした。遺書を見つけて、いじめを受けていたと書かれていたのですが、初めて知る内容ばかりで、混乱しました」(母・弘美さん/仮名)
翌朝、学校に電話で亡くなったことを伝え、夕方にはA校長を訪ねた。そこにはA校長と副校長、6年生の担任3名が待っていた。
「いじめのことが書き綴ってあるから、調べてくださいとお願いして、遺書のコピーを渡しました。私たちは何もわかっていなかったので、学校に助けを求める気持ちでした」(弘美さん)
そして、最初は子供たちに自殺したことは言わないでほしいと伝えたという。
「自殺したと聞いたら、子供たちがショックを受けて、本当のことを話してもらえなくなると懸念したんです。だから、まずは子供たちに死んだことは言わずに調べてくださいとお願いしました。あとからわれわれはこのときのことを後悔することになるのですが、学校を信じていたんです」(父・達彦さん/仮名)