栄町線を走る12系統は脇浜発着の循環系統で、脇浜→三宮駅前→元町→楠公前→東池尻二丁目→湊川公園西口→楠公前→元町→三宮駅前→脇浜の運転経路だった。12系統だけでも、この楠公前交差点を二回走る勘定になる。
楠公前交差点のシンボルが、画面中央に見える転轍手が勤務する信号塔だ。エアコンなどなかった時代、写真のような「日除け」で直射日光を凌いでいた。12の系統に及ぶ市電が接近するたびに的確な判断で進路を設定する転轍手の仕業は激務だったと推察する。
■撮影:1966年8月4日
※AERAオンライン限定記事