
Netflixでは、多彩な国々のドラマや映画を配信している。3人の識者にあえて欧州を中心としたおすすめ作品を挙げてもらった。
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普段見る機会がない国の作品を数多く配信しているNetflixの魅力を3人の識者に聞いた。
映画・海外ドラマ評論家の今祥枝さんは、現地放送から間をおかずに視聴できる利点を挙げた。
「昔はドラマの買い付けから吹き替え放送まで数年。今は字幕をつけて素早く配信できます。Netflixは定額制だから、気軽に試し見できるのもいいですね」
海外ドラマ評論家・村上淳子さんは、「ニュースよりドラマを見るほうがその国のことがよくわかる」との持論あり。
「海外に行けない今、現地の雰囲気が伝わるドラマやリアリティー番組が見られてうれしいです」
映画ライターの常川拓也さんは、10代の視聴者も多いNetflixが若者向け作品を増やしていることを歓迎。
「多様な人種やセクシュアリティーの人が登場する作品が増加。性やクィア表現の開拓も目覚ましいですね」
■イギリス

最多の5作品が挙がった。今さんはエミー賞24部門ノミネートの『ザ・クラウン』を、「誰もが注目する英国王室とエリザベス女王を重厚に描いた大河ドラマ。事実に基づいたフィクションと促えるべきだと思いますが、在位中の王室メンバーの問題点を真正面から描く覚悟がすごい」。
実在の連続殺人鬼が主人公の『ザ・サーペント』は、「70年代のアジアの空気感をリアルに描き、上の年齢層の会員をつかんでいます。主役の演技が巧みでストーリー展開もおもしろい!」。
若者向け作品に注目する常川さんは『セックス・エデュケーション』と『デリー・ガールズ』を紹介。「現在、最もセクシュアリティーの多様性を探求しているティーン・ドラマが『セックス・エデュケーション』。まさに革新的な作品です。『デリー・ガールズ』は、北アイルランド問題を背景にしながら、10代少女たちを陽気に活写したコメディー。激動の時代でもいつもバカをやって笑い合っているところが楽しい作品」と話す。
