■北欧

3作品を挙げたのは北欧作品好きの今さん。「『トラップ』はレベル高し! 極寒の港町で、地元警察官が変死体の謎を解きます。とにかく寒そうで、酷暑に見て(笑)。『コペンハーゲン』はデンマークの政治ドラマ。初の女性首相が主人公で、政治的駆け引きがおもしろく、正しい政治のあり方を示してくれます。『カリフェイト』はスウェーデンの白人社会になじめない移民に忍び寄るISISを描き、洗脳の過程や憎しみの連鎖がリアルで展開もスリリング」
常川さんは、スウェーデンの王子が男子同級生に好意を寄せる『ヤング・ロイヤルズ』を。「王子がクィアなキャラクターとなると事態は複雑に。10代の俳優演じる等身大の振る舞いがほほ笑ましい」
■カナダ
名作『赤毛のアン』が原作の『アンという名の少女』。今さんは、女性の自立や偏見、差別など現代的なメッセージを入れているところを評価。「ロケーションや衣装などは忠実に再現。自己主張が強く、人をイライラさせるアン役もいい。どの年代にも響く物語です」
■オーストラリア

人道的活動に関わっている俳優ケイト・ブランシェット主導で製作された『ステートレス』。移民キャンプの現実をリアルに描く。「弱者の視点に立った作品を国際的に配信できるのは素晴らしいこと」と今さん。


(文・構成/吉川明子)
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※週刊朝日 2021年9月10日号より抜粋