村上さんが推すのはサイコスリラーの『瞳の奥に』。「ありがちな不倫のもつれから、ラストは予想を超えたはるか彼方に着地。文句なくおもしろく、やられた!と大興奮。見終わった後、点在していた伏線を思い返してうなってしまいました」
■フランス

村上さんは2作を推す。
「『ルパン』は痛快! スタイリッシュでスピード感が心地よく、過去と現在をクロスオーバーさせながら、飽きさせることなくストーリーが展開します。『エージェント物語』は、ハリウッドに比べてあまり知る機会のないフランスのエンタメ界を覗き見できる作品。女優のプチ整形事情や熾烈な引き抜き作戦など、ハードな現場がコミカルに、切実に描かれてます」
■スペイン

今さん推しの『ペーパー・ハウス』はスペインで人気が出て、シーズン3からNetflixが製作。「犯罪者一人ひとりのドラマが描かれ、キャラクターがいい。スペインらしい極彩色で独特のノリがいい」。村上さんが推す『エリート』は、「スペイン版『ゴシップガール』と言われるけど、さらに過激。階級社会やドラッグなどの社会問題も複雑に絡み合い、大人が見ても見応えたっぷり」
■ヨーロッパ合作
合作の作品もユニークなものが多い。常川さんは『アンオーソドックス』と『アンダーカバー』を推す。「実在のオランダ麻薬王の事件を元にした『アンダーカバー』。妻を愛する豪傑なボスの造形は『ザ・ソプラノズ』を彷彿とさせるなど、随所にアメリカドラマからの影響がうかがえます。『アンオーソドックス』は、Netflix初のイディッシュ語ドラマ。ユダヤ教超正統派女性の実体験が元になっていて、抑圧された女性の苦悩が描かれています」
今さんのおすすめは、尋問室という同じセットを使い、各国チームが同時期に撮影した『クリミナル』。「Netflix所有のスタジオに各国チームが集合し、アンソロジーとして各国版を作りました。同じ設定でもお国柄が出るので、比較するのも楽しいですよ」