東京五輪の陸上女子200メートルに出場する予定だったベラルーシ代表のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が日本政府に「亡命」を求めたことが国際社会で波紋を広げている。
東京五輪で8月2日、陸上女子200メートルに出場予定だったツィマノウスカヤ選手。騒動は1日夜に起こった。羽田空港国際線ターミナルで男女が言い争う大声が響いた。ツィマノウスカヤ選手とベラルーシ代表チームの関係者だった。
そこに警察官が駆け付け、ツィマノウスカヤ選手だと判明した。すぐに羽田空港にいた組織委員会関係者にも連絡が入ったという。口論になっていたベラルーシ代表チームの関係者とみられる男性はいつしか姿を消していた。
ツィマノウスカヤ選手によると、チーム関係者に羽田空港に連れていかれ、トルコ航空のイスタンブール行きに乗り、強制的に帰国するようにと命じられたという。羽田空港で警察官に保護され、現在は安全な場所に匿われている。
ツィマノウスカヤ選手とベラルーシ代表チームのトラブルは出場予定種目にあったという。組織委員会の関係者がこう明かす。
「ベラルーシは女子1600メートルリレー予選にエントリー。しかし、複数の選手がドーピング検査を事前に受けておらず、出場できないとわかった。ツィマノウスカヤ選手は、自身が知らない間にリレーのメンバーに選ばれた。コーチの不手際を自身のSNSに投稿し、批判したことでトラブルになりました」
その内容がSNSやメディアで拡散したため、ベラルーシ代表チームはメンバーからツィマノウスカヤ選手を外し、強制的に帰国するようにと命じたとみられる。身の危険を感じたツィマノウスカヤ選手は、羽田空港で搭乗を拒否し、亡命を求めたのだった。
ツィマノウスカヤ選手のインスタグラムには、モデルかと思うような美しい写真の数々が投稿されている。また「東京五輪の選手村」「はじめてのオリンピックです」と走るのを心待ちにしていた内容もある。