又吉直樹さん(c)朝日新聞社
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 コロナ禍で、入学式・卒業式をYouTubeでライブ配信する大学が登場するなど、大学の広報活動においていまやYouTubeは欠かせないツールだ。なかでもとくに積極的なのはどの大学なのか?大学公式チャンネルの再生数、動画数ランキングをみていこう。

【ランキング】再生数、動画数トップの大学は?ランキングはこちら<全6枚>

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「一応みなさんより僕のほうがちょっと先輩なので、偉そうに言わせてもらうと……」

 芸人・絵本作家の西野亮廣氏が壇上から学生に語りかけた。開幕、「現代の革命家」とあおりたてる紹介VTRの後に登場した西野氏。「拍手と歓声が足りなくないか」と学生をいじり、会場を和ませる。その後も相方や芸人の友人とのエピソードで場を沸かせたあと、「伝説のスピーチ」が始まり、空気は一変した。これは近畿大が制作した卒業式の動画の一コマだ。

「僕が皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。『失敗なんかしないから、挑戦してください!』」

 拍手に包まれるなか、西野氏は笑顔で舞台袖へ歩いていった。この動画の再生数は1169万回を数える(5月31日時点)。

 近年、大学がYouTube動画を制作する例が増えている。大学が開設した公式チャンネルの充実度は、大学の発信力をはかる目安の一つとなる。社会学・メディアコミュニケーションが専門の井関崇博・兵庫県立大准教授は、4年制の大規模・中規模大学457大学を対象にYouTubeの公式チャンネルを調査。動画数、総視聴回数などをランキングにまとめた(詳細データは朝日新聞出版『大学ランキング2022』に掲載)。

 まずは総試聴回数、すなわち再生数のランキングを見てみよう。

 1000万回を超えるのは全国で5大学あった。その中で最も多かったのが、立命館大の約4117万回だ。

 立命館大の動画でよく見られているのが、19年のグローバル教養学部新設の際にリリースされた、1本数十秒程度の動画群だ。たとえば“立命館大学グローバル教養学部 CM「Do you have what it takes to change the world?」”は英語音声、日本語字幕の39秒の動画で、953万回以上再生されている(5月31日時点)。

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多言語で海外向けの動画を展開