動画では、海外の学生にもアプローチするため、基本的に音声や説明文には英語が使用されている。また動画中ではキャンパスの外観や、そこで楽しそうに過ごす、あるいは真剣に学業に臨む学生たちの姿などが映し出されており、海外の学生に立命館大の雰囲気を知ってもらおうという意図が伝わってくる。音楽に合わせてテンポよくカットが移り変わっていくのも特徴だ。

 井関准教授は、大学のYouTubeチャンネルが投稿している動画を、「学問知の社会への還元」「教員や研究室の紹介」など、14タイプに分類しているが、なかでも特に再生数が多い傾向にあるのが、「短尺CF(コマーシャルフィルム)型」。前出の動画はこれに当たる。

 立命館学園広報室長の種子田穣さんはこう話す。

「YouTubeチャンネルでは、1時間超の長尺から数十秒の短尺まで、さまざまな種類の動画を展開しています。動画で情報を発信することの魅力としては、より感性に訴えかけやすいところですね。たとえば、日本のことをあまり知らない国際学生が、文字で立命館の魅力を理解するのは難しいかもしれません。そうした人たちに、まずは動画を通じて立命館にイメージや興味をもってもらい、それをきっかけにして大学のHPなどでより詳細な情報を取得してもらいたいと思っています」

 立命館のYouTubeチャンネルは、10年前に投稿を開始して以来、英語のみならず中国語、韓国語など多言語で海外向けの動画を展開してきた。立命館には、学生の半数が国際学生である立命館アジア太平洋大(APU)もあるが、学園としてグローバル化に力を入れ、海外に向けて積極的に情報を発信したいという思いがあるようだ。

「世界をターゲットにして制作した動画の視聴回数は多いと感じています。国際学生向けの動画は入学を担当する部署を中心に、関連する部署が協力して作成しています。YouTubeチャンネルは広報課が管理・運用していますが、多様な部署がそれぞれの企画や情報を基に動画を制作し、チャンネルで情報発信できるようにしています。こうしたバリエーション、学内ネットワークによってさまざまな層にアウトリーチを展開しているのも、本学の特徴かと思います」(種子田さん)

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