コメダは100株で1000円相当(300株以上を3年以上保有している長期ホルダーには2月に1000円相当を追加)の専用電子マネーを贈呈。サイゼリアは100株で2000円相当(最大1000株で2万円相当)、吉野家も100株で2000円相当(最大2000株で1万2000円相当)の食事券がもらえるほか、200株以上で吉野家商品の詰め合わせももらえる。

コメダホールディングスの株主優待
コメダホールディングスの株主優待

 いずれも家計の助けになる優待だが、毎日のように買物に出かける主婦にはイオンがおすすめだとか。

「イオンの優待は“オーナーズカード”で買物の際に提示するだけでキャッシュバックポイントが貯まります。100株なら3%、3000株以上なら7%分のお金が4月と10月に返金されるんです。お客様感謝デーには5%割引特典が受けられ、イオン系列店舗でも優待料金が適用されます。インフレに強い優待銘柄と言っていいでしょう。同様に、マルエツなどのスーパーを展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)も100株3000円相当のお買い物券、ないしはお米2kgなどの商品を選べるので主婦には強い味方。優待利回りだけで5%を超えるお得な銘柄です」

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの株主優待
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの株主優待

 まる子さんによると、クルマを頻繁に使う投資家仲間は優待としてQUOカードを送っている銘柄を狙うという。水道光熱費と異なり、ガソリン代だけはQUOカードでの支払いが可能なためだ。

 いずれも魅力的な優待だが、優待狙いの投資にはリスクもあることには注意したい。

「今年、個人投資家の間ではJT(2914)とオリックス(8591)が優待廃止を決めたことで衝撃が走りました。どちらも優待狙いの投資家にとっては定番の銘柄だったからです。このように、今後は優待を廃止する企業が増えていく可能性があります。海外機関投資家は優待を利用できる機会がないからです。一部の投資家しかメリットを享受できないのならば、優待を廃止して配当を増やしたほうが多くの投資家が喜ぶと企業側が考えるのは当然のことでしょう……」

 優待廃止の動きが進むなか、新設される優待枠も少なくないという。

「SDGsやCSR(企業の社会的責任)の観点から、株主優待の選択肢として、あしなが育英会や日本ユニセフ協会などへの寄付を取り入れる企業が増えているのです。優待割引券や企業の商品を貰う代わりに、その金額分の寄付ができるというかたち。ウクライナ危機を受けて、ウクライナへの寄付ができる優待枠を設ける企業も出てきています。企業のみならず、今後は投資家にも社会的責任が求められていくのかもしれません」

 家計に役立つ優待と合わせて、寄付枠を活用すれば、ワンランク上の優待ライフを味わえる……かも。(田茂井治)

※週刊朝日オンライン限定記事

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