
TwitterやInstagramといったSNSで目にすることが増えた“イラストエッセイ”。クスッと笑えたり、「同じ、同じ!」と共感できたり、ホロリと感動させられたり……。誰もがSNSで発信できて、自分の表現を多くの人に見てもらえる時代、自分も描いてみたいと思っている人も多いのでは? イラストエッセイを20年前からブログで発信し続け、『かわいすぎる うちのコ見てほしい! ほめられイラストエッセイ練習帖』(朝日新聞出版)で、描き方のコツを紹介しているマンガ家のおぐらなおみさんに、絵が描けなくてもイラストエッセイを描く方法を聞きました。
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■写真や動画には写らない“気持ち”をイラストエッセイに残す
2000年代初頭のブログブームのころに、子ども2人の子育てのアレコレをマンガで綴ったことをきっかけにマンガ家デビューをしたおぐらさん。
「イラストエッセイのいいところは、写真に写らないようなエピソードを盛り込めること。かわいいわが子の写真を後から見返しても、そのときの自分の感情、心の動きは忘れているもの。それに写真や動画ってそんなに見返したり……しないですよねぇ。その点、マンガにしてしまえば、そのときの子どものつぶやきや自分が思ったことを残すことができるのです」
たしかにカメラロールには大量に写真や動画はありますが、見返すこともなく、日々忘れていってしまいます。
「それに、自分や自分の子ども、ペットを主人公にしたマンガなんて、自分にしか描けません。やってみたらおもしろいし、息抜きになったりもしますよ。描いているうちに、悩んでいることの考えもまとまってきたりしますしね。なにげない日常で起きたことが、コツさえおさえれば立派なイラストエッセイになります」

でも、マンガにするようなおもしろいことなんて起きないのですが……。
「イラストエッセイは、日常をマンガにするもの。子育てはもちろん、ペットのこと、好きな料理やスポーツなど趣味のことだっていいし、婚活だっていいネタかも。とびきりおもしろい情報でなくても、残したい気持ちがある、っていうだけで十分ですよ」