としまえんの回転木馬「カルーセルエルドラド」。閉園を惜しむ人たちが撮影をする姿が多数見られた(C)朝日新聞社
としまえんの回転木馬「カルーセルエルドラド」。閉園を惜しむ人たちが撮影をする姿が多数見られた(C)朝日新聞社

 1926年開園し日本で最も古い遊園地として94年間の歴史を昨年8月に閉じた「としまえん」。そのアトラクションや遊具が日本各地の遊園地へ移設され“再就職”していると報じられたが、としまえんのシンボルだった世界最古の回転木馬「カルーセルエルドラド」の再就職先は果たして決まったのだろうか?

【写真】としまえんから宮城県へ移設された人気アトラクションはこちら

2020年8月31日としまえん最後の瞬間は、カルーセルエルドラドの前でスタッフが深々とおじぎをする感動的なフィナーレに(C)朝日新聞社
2020年8月31日としまえん最後の瞬間は、カルーセルエルドラドの前でスタッフが深々とおじぎをする感動的なフィナーレに(C)朝日新聞社

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 としまえんの巨大立体迷路「トリックメイズ」は2分割され山形県上山市の「リナワールド」と栃木県那須郡の「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」へ、ジェットコースター「コークスクリュー」は宮城県仙台市の「八木山ベニーランド」へ、それぞれ移設された。

「グループ会社の八景島シーパラダイスには、バブルシューティング、バタフライダー、フライドイーグルが移設されました。西武遊園地にチャレンジトレインと模型電車が移設され、5月19日にグランドオープンしました」

 アトラクションや遊具の再就職先を教えてくれたのは、としまえんを所有する西武鉄道広報。2020年8月31日、94年間の歴史を閉じる瞬間、感動的なフィナーレの舞台となった世界最古で機械遺産である回転木馬「カルーセルエルドラド」は? としまえんの「顔」ともいえる回転木馬だけに引く手あまたなのでは……。

「実は、回転木馬・カルーセルエルドラドの移設先まだ決まっていません。モノ自体は解体できるので一度解体してグループ内で保管をしています。このまま保管なのか、どこかに移設するのかは全く決まっていなくて……。色々な可能性を含めて検討しているところです。移設の希望の手を挙げている所もまだないような段階です。遊具の中でもかなり重要なものではあるので大事に保管しているところです」(西武鉄道広報)

 世界最古の貴重な回転木馬の再就職先は全くの白紙状態だった。先に移設されたアトラクションは“大活躍”しているようで、としまえんのコークスクリューが移設された八木山ベニーランドの園長・八木充幸さんが教えてくれた。

「私どもも予想外だったのが、としまえんのファンの方が“あのコークスクリューが仙台で活躍しているんだ!”と喜びの声を寄せてくださっている。それが嬉しくて有難かったですね」

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なぜ、コークスクリューが移設された?