(週刊朝日2021年4月16日号より)
(週刊朝日2021年4月16日号より)

「必要」「必要ではない」ともに文系とほぼ同じ傾向となった。一定の生活水準は保ちつつも、人間関係のしがらみにはできるだけとらわれずにいたいという世代観が表れているとも言えそうだ。

「最も才能を認める有名人」の最多得票は、元大リーガーのイチロー(32人)だった。2位は「今でしょ!」の決めぜりふで有名な現代文の予備校講師・林修(25人)。文系と1、2位が入れ替わったものの、同じ傾向と言えるだろう。

 同じく2位に相対性理論で知られる物理学者・アインシュタイン、将棋藤井聡太が入ったほか、5位は明石家さんま(15人)と、文系同様に歴史上の科学者やメディア露出が多かった有名人が名を連ねた。

 6位にはクイズ王として有名な伊沢拓司(13人)、7位は医学部在籍中に司法試験に合格した河野玄斗(11人)が入るなど、東大の若手OBの名前もあった。

(週刊朝日2021年4月16日号より)
(週刊朝日2021年4月16日号より)

 また、9位に物理の人気予備校講師・苑田尚之(8人)、10位にノーベル賞受賞者で京大教授の山中伸弥(7人)が入ったのは理系らしい回答と言える。

 女子学生を増やすことが課題の東大は、特に理系で女子の割合が低い。今年の合格者を見ると、文系では女子の割合が約28%だったのに対し、理系は約14%だった。

「入試で女子枠を作る」ことと「女子の入学者が多い学校推薦型選抜(旧推薦入試)の定員を増やす」ことに対して賛否を尋ねた。

(週刊朝日2021年4月16日号より)
(週刊朝日2021年4月16日号より)

 女子枠については、男女全体で67%が「反対」と答えた。男女別に見ると女性側でその傾向が高く、回答者の77%が「反対」とした(男性は66%)。学校推薦型選抜の定員を増やすことについても、「賛成」と答えたのは男性が60%だったのに対し、女性は48%にとどまった。

(週刊朝日2021年4月16日号より)
(週刊朝日2021年4月16日号より)

 女性側からすれば、努力や能力ではなく性別で評価される、すなわち「げたをはかされた」と見られることへの抵抗感があるのかもしれない。ただ、学校推薦型選抜には個性豊かな学生が集まってきており、東大当局も同選抜を高く評価している。入試制度は今後変わっていく可能性がある。(敬称略)

(週刊朝日2021年4月16日号より)
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(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2021年4月16日号

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