高校からの入学が狭き門になる日も近そうだ。
総合型選抜方式の入試に強いのには理由がある。同校では学年で一斉に行く修学旅行の代わりに、個別に行き先を選んで学ぶ「スタディーツアー」を行う。過疎化が進む地域課題の解決策を考えるなど、かなり実践的な内容で、データ収集なども行うため、大学進学を考える時点ですでに研究の土台ができている。
「我々の考える大学進学とは、生徒の学びたい内容とフィットする大学をいかにマッチングさせるか、です。今後は訪れた地域で1年間インターンをしてから大学へ行きたいという子も出てくると思います。総合型選抜の入試は既卒生も受験できます。人生100年時代ですから、高校を卒業したら即大学へというよりも、海外のようにギャップイヤーを経験してから入学するというのも良いことだと思います」(山藤教諭)
総合型選抜に強い学校に共通するのは、いずれも生徒自らが問いを立てて学びを深める探究的学習を取り入れていること。暗記で乗り越えることもできるペーパーテストと異なり、小手先の受験テクニックは通用しない。大学がこうした入試を導入した今、「学力とは何か」が問い直されている。(フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2022年7月11日号より抜粋