
あっという間に師走。例年なら宴会シーズンだが、コロナ禍で自粛を余儀なくされている。東京商工リサーチが実施した調査では、企業の約9割が「忘・新年会は開催しない予定」という(2020年11月9~16日インターネット調査・有効回答1万59社)。年末年始の飲み会スタイルは、少人数での“家飲み”や“リモート飲み”が増えるだろう。
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動きは出ている。コンビニでお酒が売れているのだ。セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソンにリサーチしてみると、「お酒の売り上げは大きく伸長。チューハイなどを含むリキュール類全体については、1割強伸びています」(セブン広報)。
「リキュール類」というのはレモンサワーの素といった“割って飲む”ジャンルのお酒だが、ファミマもローソンも「好調です」と話す。特にローソンは「チューハイやクラフトビールの販売も伸びている」としつつ「リキュール類については、今年1~10月で前年比約9割増になっています」と言うほどだ。
個食ニーズが高いコンビニでは珍しく「大容量のお酒の販売が伸びた」(ファミマ広報)という声もあり、家飲み派が近所のコンビニでお酒をまとめ買いしている消費パターンがうかがえる。
ただ家飲みは、連日となると悩ましい。自宅で飲酒する人の9割弱がおつまみを食べるが(マイボイスコム インターネット調査「おつまみに関するアンケート」2020年6月1~5日、回答者数1万213人)、毎回同じメニューじゃ飽きがくるし、考えるのも面倒くさくなってくる。そこで今回、コンビニ大手3社に直球の質問をぶつけてみた。お酒のおつまみ、何がオススメですか?
■おつまみにも各社の個性が出る
「お酒と併売されることが多い」「おつまみ需要をねらって開発した」などの理由で、各社の酒類や惣菜商品担当者らが5品を厳選。チェーンのカラーが出る結果になった。解説していこう。

お酒と一緒によく買われている商品は「惣菜やサラダ、冷凍食品、セブンプレミアムデリカなど」(セブン広報)という。
セレクトされた5品を見ると、食事にも、おつまみにも使えるよう、しっかり練られて開発された商品が多いことがわかる。1の「たことブロッコリーバジルサラダ」は、小鉢タイプの「カップデリ」というシリーズで、お酒のお供にちょうどいいサイズ感。女性にもウケている。
3「牛塩ホルモン炒め」や4「焼鳥炭火焼」は、ズバリ、「おかづまみ」と呼ばれる惣菜シリーズだけあって、どんな食シーンにも合う。冷凍食品なので買い置きでき、家庭で作るには手間がかかるメニューが「レンジで温めるだけ」なのが人気を集め、リピーターが多い。一番今年っぽいおつまみは、5の「1/2日分の野菜 ねぎ鍋 柚子胡椒付き」だろう。「感染防止対策で、一人鍋が注目されています」(セブン広報)