向いていることを本業にするかですが、僕は“その人にしかできない生き方”をしている人たちの神話みたいなものが、世の中に多すぎるように感じています。ある時期に大きな決断をして、すべてを捨ててその道に進んだ、という完成された物語。その物語は強烈ですが、特殊な環境と特殊な能力を持った人のケースが多いから、あまり引きずられすぎないほうがいい。

 例えば平日は別の仕事をして、土日だけやりたいことや向いていると言われたことを、無償で続けてみる。そういう時間こそが大事なのではないでしょうか。いろんな段階を経てだんだんと有料の仕事になっていって、そのウェートが増えて、いつの間にかメインの仕事になる。そういう道筋を通る人のほうが、実際は多いはずだし、成功しているように思います。有料化するのが早すぎて苦労する人も見てきました。いい意味でのアマチュアの段階をちゃんと経ることが、実はすごく大事な気がするんですよね。

 おひつじ座は、どこか存在感があってオリジナルのことをやっている人たちですが、だからこそ、常に「まだ自分に対する注目が足りない」と思ってしまっている面があります。純粋だから、他人から言われたことをたまに真に受け過ぎてしまうことも。

 他人から言われる自分よりも、自分がこうしたいという気持ちを大事にして、コツコツとその道に行くほうが、成功の確率はきっと高いです。

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

AERA 2022年7月11日号

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