<「東京大学広告研究会」のコメント>

 コンテストは1997年に初開催された歴史ある催しです。現在は「日本一の才色兼備を決める」という理念の下で運営しており、頭脳と容姿の両方を持ち合わせた人を発掘することで東大特有の価値が生まれると考えています。コンテストの目的は三つあります。まずファイナリストに、普段できないようなさまざまな経験をしてもらうこと。次にコンテストの社会的知名度を高め、より多くの企業や一般の方にファイナリストが持つ影響力を知ってもらうこと。最後に、運営に携わる会員自らも多様な経験をすること、です。

 ファイナリストは容姿のみを競っているわけではありません。ファイナリストの選考では、立候補者に基本情報や志望動機をGoogleフォームに記入してもらった上で、約5日間かけて全員に面接します。19年の面接は、広告研究会の代表と副代表に、日替わりで1、2年生の会員6人を加えた計8人で審査しました。各審査員は各立候補者について、定められた七つの項目に基づきコメントし、その総評価を基に10人を選定します。特に、コンテストに出たい理由と、ファイナリストとして責任を持って活動できるかは、重視します。審査の詳細は、落選者の精神的苦痛を考慮して公開していません。

 ファイナリストは7月の「お披露目」から11月の駒場祭までの約半年間、SNSでの日常的な投稿やフォロワーとの交流、競馬場での模擬店販売やファッションショーへの出演、スポンサー企業による企画への参加などに精いっぱい取り組みます。コンテストに反対する人には、彼らの頑張りをもっと見てほしいです。

 コンテストが一部の属性を排しているという意見がありますが、コンテストの応募資格は東大の全学部生にあります。ミスコンに男性が、ミスターコンに女性が応募することも可能です。明確な目的を持ってそうした応募をしている人はファイナリストに残る可能性もあります。

 本年、別の大学では大学当局の勧告を受け、ミスとミスターの枠を設けない新たなコンテストを実施することになりました。この話を機に当会でもコンテストの見直しを検討しましたが、従来通り実施することにしました。

 コンテストを男女別に開催するのは、性別を当会が規定した上で候補者を競わせようとしているからではありません。そもそも何かを競う際に本能的に同性と自分を比較して相手よりも成長したい、良い評価を得たいと思う人が多いと考えるためです。性別関係なく競いたい人が多ければ、コンテストの歴史の中で男女共同開催という形に変わっていたはずです。しかしそのような事実はなく、男女別の開催で立候補する人が多数います。東大では当局から廃止を求められていないので、伝統を踏襲したコンテストを開催します。(談)

(文/東京大学新聞社・武沙佑美)

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