舞台の一つ、横浜市の鶴見ではあちこちでポスターに出会う
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 沖縄が本土に復帰した1972年、グアム島で残留日本兵の横井庄一さんが発見された。復帰50年を記念したNHK朝ドラ「ちむどんどん」では6月、74年の設定で「よっこいしょういち」のセリフが登場した。『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』の著者でコラムニストの矢部万紀子さんが、この言葉から抱いた「?」を探っていく。

【写真】「野坂昭如の清談俗語」のゲストに招かれた横井庄一さん夫妻はこちら

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 突然だが、「よっこいしょういち」をめぐる冒険に出ることにした。って何?という話の前に、自己紹介。朝ドラが大好きです。根がまじめです。

 冒険の始まりは、朝ドラ「ちむどんどん」。沖縄生まれのヒロインが1972年に高校を卒業、上京する。復帰50年に合わせて作られ、6月最終週時点で時は78年、彼女は銀座のイタリアンレストランで修業中だ。

 話は少し戻って、彼女がおでん屋台を立て直した6月6日からの週。74年のお話で、屋台のおかみの口癖が「よっこいしょういち」だった。聞いてモヤモヤした。11日のダイジェスト版ではこんなナレーションが。

<あ、そうそう、横井庄一さん、沖縄復帰の年にグアムから復帰されたんですよねー。恥ずかしながら帰って参りました。流行語でしたー>

 61年生まれの私ゆえ、横井さんの帰国や「恥ずかしながら」の流行は覚えている。が、当時の記憶に「よっこいしょういち」はない。私が知らないだけかもしれないが、沖縄復帰50年の朝ドラなのだ。屋台のおかみも空襲で夫を失い、息子と2人焼け出された設定にしている。なのにその人に、横井さん帰国からたった2年で、「よっこいしょういち」と言わせるとは。

 この朝ドラ、ツッコミどころ満載で、SNS上には「ちむどんどん反省会」なるハッシュタグも。そこには距離を置いてきたが、これは別。大切なものを蔑ろにしているのではと、小さく義憤にかられさえし……。

「よっこいしょういち」はいつ、どこから来たのか。はい、冒険スタート。

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