新型コロナウイルスの影響で東京五輪は1年延期。練習もままならない中、アスリートはどう過ごすのか。引退後、復活したベテラン選手は厳しい選択を迫られる。
■日本のアーチェリー界のために五輪で結果を出して道を作りたい
#01 早川漣(デンソーソリューション/32歳/アーチェリー)
3月22日の東京五輪代表2次選考会をトップ通過。しかし、五輪の延期が決まり、最終選考会は来年3月に延期された。現在は、まさに「宙ぶらりん状態」。
2012年のロンドン五輪で団体銅メダルを獲得したが、右肩痛の悪化で引退。16年に競技者生活を再開していた。
「肩の痛みはまだあります。でも、日本のアーチェリー選手たちの競技人生を延ばす道を作るためにも、私が東京五輪で結果を出したい」
強豪・韓国並みの競技環境を日本で築くため、メダルを狙う。
■40歳で出場する6度目の五輪 未経験の表彰台を本気で狙う
#02 寺内 健(ミキハウス/39歳/飛込)
男子シンクロ板飛込と3メートル板飛込で、代表内定獲得後に開催延期が決定。アトランタから北京まで4大会連続で五輪に出場したが、メダル獲得には至らず、09年に引退した。
社会人を経験した後、現役復帰。ロンドン五輪出場は逃したが現役を続行してリオデジャネイロ五輪に出場。40歳で迎える東京五輪は6度目の出場になる。
「二十数年やってきて、一度も見ていない景色。それが表彰台。それを東京で経験したい」
1年延期で厳しい五輪となるが、経験を武器に勝負をかける。
■追加の代表選考があるなら引退せずに挑戦したい
#03 上山容弘(ベンチャーバンク/35歳/トランポリン)
16年に一度引退したが、翌年に復帰し、東京五輪を目指した。昨年末の国際ジャパンオープンで優勝し、代表内定直前まで進んだが、惜しくも内定枠に入れなかった。引き際を考えていたところで、五輪延期が決定した。協会は内定の継続を決めたため、東京五輪出場の可能性はきわめて低い。
しかし、引退は先に延びた。