本書は参考書でも教科書でもない。「留学するお金がない」「何から勉強すればいいか分からない」、そんな悩みから生まれた「英語で日記を書く」方法で英語を獲得した著者の「自伝的学習本」。著者が日々、試行錯誤して得た学習のヒントが詰まっている。

 例えば、自室での学習時は英語のラジオを聴き、英語版のアプリでニュースを読み、漫画も英語版、日本語は禁止する、という方法で日本に居ながら疑似的な留学環境を作った。また、スマホのSiri機能で発音の確認をするなど、身近なモノで学習する方法も紹介されている。ネット社会ならではの工夫に目から鱗だ。

 英語の獲得はゴールではなくスタート地点だ。「頑張ることはカッコ悪いことじゃないよ」と、夢へと進む全ての人の背中を押してくれる一冊。(二宮郁)

週刊朝日  2020年4月10日号