●テレビ会議のすっぽかしバレたことに気付いていない

 ある電力会社では、ご多分に漏れず、テレワークによるテレビ会議が増えている。これまで社内の会議室で開く会議に欠かさず出席していたある中高年社員は、在宅勤務になって以降、テレビ会議にすっかり姿を見せなくなった。

 PCの画面に表示される彼のステータスは一日中、ずっと黄色。テレビ会議などを行うこのコミュニケーションツールで、黄色は「退席中」を意味する。

 会議が始まっているのに黄色表示というのはとにかく目立つが、「彼は他の社員に『退席中』のステータスが見られているってことを知らないんだろうね」と同僚はあきれる。当人だけが、すっぽかしがバレたことに気付いていない状態だ。

 そもそも彼は、従来の会議室での会議でも、ほとんど発言していなかった。席に座っているだけで、仕事をしているように見えていたにすぎない。もしかしたら、PC上は「退席中」でも、彼は自宅でPCの前にきちんと座っているのかもしれない。何にせよ、テレワークによって、会議で何も生み出していない実態が露呈してしまった。

「働かない」か否かは別として、テレワークが鬼門というおじさん社員は少なくない。

●テレワークのテレビ会議に出社して参加する“おじさん”の哀愁

 JTは2月末、コロナ対策として国内の全従業員を原則在宅勤務にした。自宅から社内のテレビ会議に参加した中堅社員は、PCの画面に映るベテラン社員を見て違和感を抱いた。

「あれ?先輩、ひょっとして会社ですか?」

「そうだよ!」と答える姿は普段着と思われるセーター。でも、背景はおなじみのオフィスだ。

 テレワークのテレビ会議に、出社して参加する。これは、おじさん社員の“あるある”だ。

 不要不急の出社を控えるように言われても、会社に足が向いてしまう。

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テレワークを利用したリストラが加速する