竹内由恵さん(撮影/写真部・小黒冴夏)
竹内由恵さん(撮影/写真部・小黒冴夏)

30代になって、見えている世界がガラリと変わりました。ただ仕事にがむしゃらだった頃とは違って、仕事や結婚や子ども……と考えることが複雑になっていく。仕事を頑張りたいから結婚や出産に消極的になる人も多くいます。でも、どんな環境に身を置いたとしても、多様な働き方があるはずです。働きながら結婚も子育てもできる人が増えて、それが当たり前になってほしいと思っています。

――仕事と結婚、子育ての両立に悩む人はまだ多くいます。政府は2020年までに、リーダー層の女性を少なくとも30%にすると掲げていましたが、なかなか実現できていません。

女性の進出が進んでいるとはいえ、他の国に比べると男性社会なのだと感じています。海外で活躍している女性CEOや起業家が出演するポッドキャストを聴いていると、凄まじいキャリアを歩んできた人が子どもを2人産んでいたりする。いつ産んで育てたんだろう?とふと考えてしまうんです。日本でも、そんな疑問を抱くことのないくらい、それが当たり前だといえる社会になってほしいと思っています。

私自身、結婚する際は相手との生活を優先しキャリアを手放す道を選びました。でも仕事を離れてみてやっぱり社会と関わりを持ちたいと思ったのです。女性がすべてを背負い込まないで、やりたいことをやる、選びたいことを選ぶというのが普通になってほしいですね。そのためにはパートナーの理解と協力は不可欠だと思います。

――働き方を選べて、それを尊重する環境が当たり前になってほしいです。復帰を周りに伝えたときの反応はどうでしたか。

伝えるときはドキドキしましたが、「やっぱり復帰すると思ってた」と周りの人は思っていたみたいです。「家にずっといる生活は無理でしょう」とも言われました(笑)。

――20代の頃のがむしゃらな竹内さんを知っているからこそですね。当時、睡眠や休みはとれていましたか。

しっかり寝てはいたと思います。ただ、20代の頃は休みがあるのが怖くて、「もっと頑張らなきゃ」「もっと認められなきゃ」という気持ちがありました。休日もスポーツの試合を観に行って。結果的にそれを見ていた方が「よくわからないけど、いつも現場にいるぞ」と興味を持ってくださって、スポーツ関連の仕事にもつながりました。

――そうなんですね。音楽からスポーツまで幅広く活躍されていた印象があります。それだけに番組異動にいつも注目されませんでしたか。

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